「楽して幸せになってもらう」ための、徹底した準備体制
パーティー企画担当者や幹事が「楽して幸せになれる」状態を作ること——安田音楽制作事務所 東京オフィスは、これを事業目的として正面から掲げている。ミーティングで使うプレゼン資料・画像・映像を事前に準備し、不安がなくなるまで打ち合わせを繰り返す。初回問い合わせへの返答は1営業日以内で、緊急の場合は電話対応も受け付けている。
業務委託契約書や関係書類の整備、万が一の事故への備えもヤスオンのフローに含まれており、個人演奏家への依頼では対処しきれない契約周辺の業務をすべて引き受ける。「ほんとに頼んでよかった!!」——この言葉を担当者から引き出すことを、具体的な達成指標として設定しているのは珍しい企業姿勢だという声が多い。明治安田生命・近畿日本ツーリスト・パナソニックホームズとの取引実績が、その信頼の積み重ねを示している。
ノンジャンルの演目設計と、247名のネットワーク
クラシック演奏家の強みは「楽譜があれば何でも弾ける」という汎用性で、演歌・JAZZ・歌謡曲・アニメソングまで対応できる。楽譜がない曲は音源を提供すればデザイン部で譜面を制作するため、リクエストの幅は事実上ほぼ無制限。札幌・秋田・仙台・東京・金沢・名古屋・大阪・広島・福岡の9拠点に登録する演奏家は、2024年4月時点で247名に達している。
各拠点の基準駅からの交通費計算を採用しているため、地方開催でも費用が想定以上に膨らむことが少ない。料金はすべてウェブサイト上で公開されており、問い合わせ前に概算を確認できる透明性は「クラシックは高そう」という先入観の払拭を意識した設計だ。「そこまでやってくれてこの料金は安い」という言葉が利用者から繰り返し寄せられているという。
現役オペラ歌手の代表が、全案件の現場に立つ
代表・安田旺司はイタリアと国内の劇場で経験を積んだ現役のオペラ歌手で、ある時は歌手、ある時はステージマネージャー、ある時は打ち合わせスタッフとして、全案件に直接関与する。この体制は、現場で起きやすいトラブルや要望の変化に素早く対応できる実務的な強みがある。個人的には、法人の経営者が最前線の演者でもあるという構造が、この事務所の対応品質を支えているように思えた。
2010年の創業以来、図書館・水族館・冷凍庫・電車内・商業施設・寺院・大学入学式と、演奏場所のリストは毎年更新され続けている。テレビ・ラジオへの出演実績もあり、「演奏できない場所はない」という言葉は自己申告ではなく、積み重ねた記録に裏付けられている。
「走る電車コンサート」が全国区にした、提案力の系譜
「フラッシュモブinオペラ」「サプライズ余興シェフDeオペラ」「Maiko with OPERA」——これらは演出のパッケージとして現在も活用されているが、もともとはヤスオンが創業以来仕掛けてきた奇想天外なコラボ企画が起源だ。「走る電車コンサート」はヤスオンの演奏を一躍全国区に押し上げた企画として紹介されており、その発想力が企業パーティーへの提案にも引き継がれている。「ありえないけど実現しそうな提案」というのが、ヤスオンの提案スタンスを端的に表している。
社是は「Smile with MUSIC」。2026年2月に本社機能を東京へ移転し、9拠点体制での全国展開をさらに強化した。ビジョンに「2050年の宇宙空間への演奏家派遣」を掲げており、経営理念「演奏を通してすべての生命の心を豊かに明るく」の射程は、地球の外にまで設定されている。


